構造・解体・中身を拝見
こんな構造になっていたのか・・


インクジェットプリンターのインク
内部を拝見

 以前からどんな構造になっているのか興味があった。
インクが無くなりカートリッジを交換する機会に開いた。

上はラベルと反対側を開いたところ、フィルムで覆って密封してある。
ラベル側もフィルムで密封してあり、色々通路や空間がある。

下はマイクロチップ
インクの消費を検出するセンサーがあるのかと思ったが、判らない。

 結構複雑な構造をしている。
インクがどこに入っているのかすらも判らず、インクが流れる経路も判らず。

結局構造は不明。

携帯電話充電器
コンビニエンスストアなどで売っている使い切り充電器

 充電器を持っていない、急な時には助かるようだが(私は使ったことがない)使い捨てというのは気になる。左の品物である。
製造元 TopLandのWebでは「ヨコ型パワフル使いきりau用 ヨコ型 単3形アルカリ乾電池4本内蔵」 と表示している。

 

 

 内部に電池が入っているのは想像に難くないが、捨てると言う人がいれば、中身を拝見するのは私にとっては当然。

 

 

 

 簡単に開くことができた。 あからさまに単3アルカリ電池4本が直列に入っている。 それもスポット溶接などはしてなく、電池は交換できる。

 電池を交換すれば何回でも使える品物である。
電池の上、携帯電話とのコネクターの下に緑色に少し見えているのが電子回路のプリント基板回路であろう。

 

 

 

 

 

 プリント基板を見ると、いくつかの半導体とチップ部品が載っている。 おそらく、インバーター回路であろう。


単三電池4本直列で6V出力を 携帯電話のリチウムイオン電池を充電するために4.7Vにする回路であろう。 電池の消耗とともに単三電池の出力電圧は降下するが、出力は一定になるようになっていると思われる。

電池を入れ替えて再利用も可能であるし、PCのUSBから5Vを取って携帯電話を充電することにも使えそうに思う、時間を見つけて出張用のUSB充電器に改造を試みたい。


電動歯ブラシの充電器

本体を置くだけで接触部分がない充電器、電磁誘導を利用しているのであろうとは想像していた。 Boschの電動歯ブラシの廃品を見つけたので分解してみた。無接点充電器、非接触充電器、電磁誘導充電器、無線充電器 などと呼ばれているようである。
技術的には、非接触電力伝達、無接点電力伝送、無接点電力伝達などとも呼ばれている。
電気カミソリ、コードレス電話などにも使われている例がある。

 左画像の 白い部分は充電器、それ以外の右側にある物は本体の内部部品。 充電器の突起にはめてあるのはコイル。  その右はプリント基板、基盤には黄色いニッカド電池とダイオードが付いている。その右は歯ブラシを動かすモーター。(この頁のことを考えずに、分解後プラスチック部分や往復運動部分は、捨ててしまった、残念。)

 理屈は至って簡単。
本体側の2次コイルで充電器側からの磁界を拾い、発生した交流をダイオードで半波整流してニッカド電池(黄色い部分)に充電している。 要はトランスの1次コイルが充電器側にあり、2次コイルが本体側にあるということである。

 充電器側は分解していない(何かに使えそうなので)がオッシロスコープで2次コイルの出力波形を観測した。 左の画像は、その波形。周期はおよそ42μSec.≒23KHz の交流である。
 充電器の突起内部には磁性体コアがあるようである(永久磁石に吸引力を感じる)。

 何故このような構造になっているのか?
水場で使うので感電の恐れを無くすため。接点の劣化による接触不良を避けるため であろう。
 交流50ないし60Hzを使ってもエネルギーの伝達は可能なはずであるが、それをしていないのは
周波数を高くするとコイル類を小さくできる、コイルに鉄芯などを使わなくて済む(前記のとおり空芯動作ではないが、2次側コイルは空芯とすることができる)。 いわゆるハム音(交流のうなり)を生じさせたくない。  などが理由であろう。

 充電器側の回路は
AC100V電源から直流を作る電源回路
直流で23KHzを作る発振回路
その交流を磁界に変換するコイル  から成っていると想像できる。
これらの回路はプラスチックで固めてあり外部とは遮断されている、水が入る隙は全くない。

                          Mai.11

ワンウェイクラッチの構造

以前から中がどのようになっているのか気になっていた。
http://www.ntn.jp/japan/products/catalog/pdf/nb/pdf/nb-16.pdfに解説がある。

今回、首都大学東京八王子キャンパスのオルガン付き振子時計をオーバーホールするに当たって使用していたワンウェイクラッチを交換したので、解体して中を見ることができた。

解体したのは NTN製 NHF12型である。

上の画像はラジアル荷重受けのリングを外して、軸を入れた状態を見ている。 外周部には切断砥石で切った痕が見える(左下)。
ニードルとそれを一方向に押しているスプリングが見えている。
ニードルを軸へ押しつけるための傾斜部分も明瞭に見えている。この画像では軸が時計回りの時には空回りする。
不思議なのは、傾斜のある溝の間にもう一本傾斜のない溝があることである。何を目的とした溝なのであろう。

下の画像は
左上がニードルと押しバネ 右上が筺体、内部には空転時にニードルがはまっている溝が見えている。
噛み合い時にはニードルはずれて溝の傾斜面に押されて軸に摩擦する。
左下はニードルとスプリングの位置を矯正するためのプラスチック部品。
右下は、ラジアル方向の荷重を受けるためのメタル軸受け。

判ってしまえば理屈は簡単であるが、良くできている。


安全ベルトのロック構造

自動車の安全ベルトは通常は簡単に引き出すことができる。 事故の時には固定されて乗客の体が不要な動きをしないようにしている。

 この構造は見た事が無かった。 トヨタハイエースの後部座席には全く安全ベルトが無いので今までは2点式ベルトを取り付けていた。 3点式のものを手に入れたので取り付ける前に中を拝見してみた。

 画像はプラスチック製のカバーを外したところである。 右側が取付面。 画像の上側からベルトは車体上方に向かって引き伸ばされる。 白いプラスチックの向こう側に巻き取りローラーがある。

 1の下にある円形のもの(下部はプラスチック、上部は鉛)は加速度センサー。現在は加速度を受けていない状態。 これは360度どの方向の加速度にも反応する。 従って車の姿勢がある程度以上傾いた場合(重力加速度を受けた場合)にも反応する。 加速度を受けるとこのセンサーが傾き、センサーの上のレバーを持ち上げる。 その上の爪レバーが押し上げられてラチェット2(ベルト巻き取りローラーに繋がっている)に引っかかる。 すると白い円形のプラスチックが反時計周りに押される。 白い円形のプラスチックは3のピンを引き寄せて鉄の爪を大きなラチェットに引っ掛ける。 大きなラチェットはベルト巻き取りローラーに直結しているのでベルトは固定される。

 急速なベルトの引き出しがどのように作用しているのかは未解明。 このベルトは実際に使用するものなのでこれ以上の分解は断念した。

 このベルトはプジョーのもの。おそらく他の方式も多数あることであろう。

                          Jan.07


フィルムホルダーの遮光構造

 大型写真を撮る時に使用するフィルムホルダー。
遮光板を抜いた時にフィルムに光が入らない構造はどのようになっているか? 不思議であった。

フィルムホルダーを改造してピンとグラスを作った。さらにそれにルーペ付きピント合わせ蛇腹(日本語の名称を知らない)を付けるために遮光板を入れる部分を切ってみた。

黄銅製櫛状バネが黒布を押して遮光板が抜けてもその隙間を埋めるようになっている。

これはFidelityのものである。















                          Jan.2007

 中身を見ようにも、どこにもネジがない。 溶接した痕跡もない。
永らく不思議に思っていた。 機械屋に訊いても知らない、今まで誰に聞いても知らない。 日々当たり前に使っている人もその構造など気に止めないまま使っているのだ。


大きな画像


ドリルチャックの構造

 思いついて、安物の電池ドリルに付いていたチャックを砥石で切断してみた。 構造はほぼ想像とおり。 しかし、どうやって作っているのか、そしてどのように組み立てているのかはなお不明であった。 切断した部材を見ると内側にネジを切ってあるリングがある。これには私が切った痕の他に破断面がある。

 観察するとチャックの部品は圧入でしか組めないと考えられる。 ということは逆に力を掛けて解体することができるはずである。

となると、やってみたくなる。 惜しげのないチャックを選んで実行することにした。

 油圧装置は持っていないので、ちょっとした治具を作り、大型の万力を使ってばらしてみた。 かなり大変ではあったが、やっとのことでばらすことができた。

構成は6点の部品、左の画像のとおりである。
うち一点、内側にネジを切ってあるリングは割れて二つになっている。 どうやら、この部品は成型しネジを切った後、意図的に二つに割っているようである。
そうしないとチャックの本体部分にある溝に入れる事ができないのだ。

チャックの爪3本を正しい位置に入れ、割ってあるリングを溝に入れてチャック爪のネジとかみ合わせた後、チャックの外リングをチャック先端から圧入している。
内リングと外リングは単に摩擦で一体になっているだけである。

 チャックメーカーに電話を入れて質問したところ、想像とおりの作り方をしていた。 やはり中のリングは割っているそうである。

                          Dez.2006

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