日付:7月17日 この内容は本日行った作業です。

PedalのChoralbasse4'の整音を行いました。 整音作業自体は比較的速く進みました。 低音部は歌口を最初の整音で少し高く切りすぎていたようであまり手を加えなくて済みました。 全体にほんの少し手を加えるだけで終了。 調律も大幅には変わっていませんでした。

しかし、昔はかなり小さなパイプまで調律スリットを用いて調律を合わせていました。 ここ10年以上はスリットはできるだけ使わず、パイプをほんの少し高く正確に切り専用工具でパイプの頭をすぼめて音を下げ、正しい音程に持って行く方法を取っています。

このオルガンを作った頃はスリットの長さがパイプの直径を越えても気にしていませんでした。 今回は巻き込んである金属を巻き戻しスリットを少なくするようにしました。 音に充実感が出るからです。

巻き戻すと音は低くなります、その分パイプの頭を切ります。試しに鳴らしてみてさらに巻き戻せる場合にはさらに巻き戻します。 必要なだけ頭を切ります。 このような作業の繰り返しで適度な位置を見つけます。

従来のスリット部分は巻き戻された金属で蓋をされたような状態になりますが、このままでは不安定です。 調律の持ちも悪いし、音色にも悪影響を与えます。
その部分は半田付して固定しました。

写真

画像では2本のChoralbasse4'パイプの調律スリットが見えています。 少しのスリットで調律が合っています。 その下の部分は左右に半田付痕があるのがわかります。

作業後厳密な調律を施し、下から聞いてみたところ面倒な作業をした甲斐がおおいに合った次第です。
同じ音に合っていてもスリットが長すぎることの弊害は少なくありません。

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