|
演奏台裏をC側から見たところ。 下にはC側とCis側のペダルへメカニズムを振り分ける仕掛けが見えている。 上にはBrustwerkへ行くメカニズムが水平に通っている。 左の壁面には 音栓の滑り弁(スライダー)を操作するエアーシリンダーを駆動する電磁弁を収納している防音箱が取り付けてある。 これはBrustwerk用。 箱の正面には速度調整器が付いている。 低圧の電気配線にはフラットケーブルを多用した。 多芯で接続、分岐がコネクターで容易に行えるのは非常に助かる。 |
同様演奏台裏 上に斜めに走っているメカニズムはSchwellwerkの低音部C側とCis側へ向かうメカニズム。 C-f0まではC側とCis側にそれぞれ風箱がある。 メカニズムを斜めに走らせることによりその後のメカニズム(軸、Roller、Wellen)を短くすることが可能になり、ねじれの影響を減らすことができる。 真っ直ぐに水平に通っているメカニズムは、上からHaputwerk中高音部のメカニズム、その下がSchwellwerk中高音部、一番下がEchowerkへ行くメカニズム。 右上の端に一部であるがHauptwerk低音部C側のメカニズムが写っている。 |
|
演奏台付近 Brustwerkにはパイプが入っている。 演奏台もほぼメカニズムの接続は終わっているようだ。 音栓つまみはまだ付いていない、内部での接続も終わっていないようだ。 |
|
Hauptwerk中高音域のメカニズム 右下に6本他と異なるメカニズムがある。これはCarillon(鐘、Glockenspiel)の音域が他と異なるために必要となった。 |
|
ペダルのメカニズム このような場所でも作業ができるように腰かけが作ってある。 |
|
Schwellwerkのメカニズム 舞台上のリモートコンソール(遠隔演奏台)から弁を引くためのマグネットがWellenbrettと風箱との間に並んでいる。 |
|
このオルガンでは この大きさのオルガンになると音栓操作はてこや回転軸を使ったメカニズムを使う利点はありません。 まして、音栓記憶装置(コンビナツィオン)や遠隔操作で演奏するリモートコンソールがある場合には電気を利用する他、選択肢は無くなります。 この画像は演奏台からの電気信号を受けてエアーシリンダーに空気圧を送る電磁弁が入っている箱です。 電磁弁は操作するたびに圧縮空気を排出するシューという音が出るため、このような箱に収容しています。 各シリンダーは往復それぞれの行程の速度調整が可能です。 オルガン部品を供給している会社へ依存したくないこと、エアーシリンダーは日本に工業がある限り手に入ると考えられること からこの方法を採用しています。 |
|
演奏台のすぐ後ろ、ペダルのメカニズムが左右に分かれるところです。 ペダルWerkはオルガンの一番外側の左右に分かれています。 メカニズムも中央の演奏台から左右に分かれてペダルの風箱へ向かわなければなりません。
画像は演奏台裏のC側(左側)からCisを向いた状態です。 |
|
演奏メカニズムの一部、演奏台の裏付近。 上は演奏台から水平に来たHWの中高音部のメカニズムが垂直に上がるところです。 すでに記したとおり その下、多少判りにくいが、向こうへ斜めに走っているメカニズムは SW Cis側低音部。 低音部はC側とCis側の風箱に分かれている。 回転軸だけで演奏メカニズムの位置をずらすことも可能であるが、軸が長くなればそれに比例して捩れも多くなって打鍵感を悪くする。 設計製作は面倒であるが、演奏台からメカニズムを斜めに張って回転軸の長さを出来るだけ短くするのが適切であると考える。 その下はSWの中音部のメカニズム。 演奏台から垂直に上がる部分までの距離が大きい。 その下、多少傾斜して走っているメカニズムは第四鍵盤 Echowerkへのメカニズム。 |
|
写真提供 小泉 匡
前のページへ 須藤オルガン工房TopPageへ 次のページへ
宮崎芸術劇場オルガン 組立の記録目次へ