あまりにつぶれているので、とにかく胴と足を分離しなければならない。 髭を外した後、鋸で切っているところ。
ゆがんだ髭を外す時にKernの前角を傷めてしまったのは残念であった。 Kern修復の手間が増えてしまった。
足を切り離した後の パイプ胴部分。 下から見上げたところ。
右がOberlabium。 これは修正して再利用した。
コロ台の上でパイプ胴を回転させて罫書きを入れる。
この大きさのパイプを直角に切るにはどうすればよいか、直ぐには思いつかなかった。 この方法でこの目的には充分な直角が得られる。
罫書いた後は手鋸で切断。 整形した後に同じ方法で再度罫書き、多少鉋で修正した。
ゆがみのひどい部分を切り離したところ。
右斜め上、2時の辺りがパイプの正面。変形が大きい部分を修正することも可能であるが、どうしても修正痕が目立ってしまう。 変形が大きい部分を切り取って歌口を新しく作ることにした。
日々金属パイプばかり作っているパイプ工房であればそれほど大変な仕事ではないのかもしれない。
我々の工房では持っている技術と設備でどのように作業するか工夫を要するところである。
日本のオルガン製作者は、少なくとも現在は、広範囲の作業に対応する能力が求められる。最もつぶれがひどいこのDisパイプは最後に作業した。 変形が少ないパイプで経験を集めて、最も困難なDisでの作業に生かすためである。
外に当て金を当てて内側からゴムハンマーでたたいて徐々に整形をした。
ゴムハンマーの頭はパイプに合わせて曲面を付けて作業に当たった。
大きくなゆがみは丁寧に修正してゆく。
このパイプの太さの型があれば楽なのだが、このような作業は一生に一度あるか・ ・ という程度の頻度、次にいつ使うかも知れない、置き場所にも困る。我々の規模の工房では到底準備できる代物ではない。
Oberlabiumは再使用するために切り取った。
これはその残骸。
たたき出しと床上での整形を何回も繰り返して徐々に形を整えてゆく。
掌全体に力を加えないと部分的に凹んでしまう。
円弧が出たかを合板で作った型で点検。
徐々に追い込んでゆく。
形が整ったところで、Oberlabiumを付ける部分を切り取る。
型紙を作り曲面に罫書いている。
胴部分の修正・補修と同時に、足部分の補修もしなければならない。 Kernを外し、足のゆがんだ部分を修正して補強をした。
ゆがんだ髭を外す時にKernも一部痛めてしまった。 半田を盛り付けて補修した。
画像はKernの前面を整形したところ。
Kernの下面も補修後、整形した。
Kernをパイプ足と再び接合したところ。
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Angefangen 17.Feb.2004