正面にあるMontre 8’の低音部の整音を点検修正しました。 中央のパイプ塔のパイプはこのオルガンが完成したときに調律したまま、今まで一回も調律されていませんでした。 手が届かず、調律することができなかったのです。 多くのオルガンでこのようなパイプが存在します。 ほとんどは低音のパイプなのでくるっても音楽を濁す心配はありません。 しかし、調律できるに越したことはありません。 今回も、作業をしながら考えていました。 下の画像のように、足がかりと取っ手を付ける事によりこの部分のパイプも調律が可能になりました。 これで、このオルガンには調律が不可能なパイプは一本もなくなりました。 |
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オルガンの内部はどこにでも到達できる構造であることが大切です。 私の楽器では姫路パルナソスホールのオルガン以降は全てのオルガンで全てのパイプが調律できます。 そして、安全に各所に到達するために画像のような足がかりと取っ手を用意しています。 どれほど設計が巧みであってもProspektパイプ(正面のパイプ)の整音がくるった場合はお手上げです。 どうしても正面から歌口部分に手を加えなければなりません。 小さなオルガンは別ですが、大きなオルガンでは足場を組んでようやくProspektの歌口に到達できる場合がほとんどです。 |