その他の工作・雑学 1
オルガン以外の作品類


カーテン止め

 自宅のカーテンをまとめる金具、全黄銅(真鍮)製。
これを作るのは長年の懸案であった。

市販のものでは背の高いカーテンにはプロポーションが良くない。市販のものと較べると異常に大きいが結果には満足であった。

写真ではよく判らないが、高さ14cmほどである。
フックは径8mmの真鍮棒を削り出し、さらに鍛造し、研磨整形し、台座に銀鑞付けした。

取付ネジも黄銅のマイナスネジを使用している。
プラスネジは工業的なイメージが付きまとって生活空間に使用したくない。 近年入手が非常に困難になってきている。ヨーロッパでは工芸品などには決してプラスネジは使用しないのであるが ・ ・ ・ ・

時間があればもう少し凝ったことをしたかったが、一応これで満足ということにした。

まがって見えるのは、写真が悪いのです。
きちんと水平器を使って垂直を出して取り付けました。

                          Sep.2006



自宅の玄関

腰が悪い家内が靴を履く時に腰掛ける椅子。
狭いマンションの玄関である。 場所を取るわけには行かないのでこのような折りたたみの椅子を作った。

跳ね上げておけばまったく邪魔にはならない、座面は楢材、足は平鉄。

向こうの扉は(有)日章装備 畑さん製作の扉。
総楢ムク材、床も楢ムクのフローリング材を使っている。

Jan.2006

 ベッドの頭のところにある電灯のスイッチ。 自然に手が届く位置に付いていない。 いまさら壁に新しく穴をあけるのもいやなので、このようなメカニズムを作ってみた。 単純明快、スイッチと木製レバーをリンクしただけのことである。

 とは言え、当初スイッチの中央に黄銅の金具(自作、挽物)を取付けて、念のためテストしたところ見事にAC100V が来ている。 そのスイッチは使えないので分解して構造を観察。 新しいスイッチでは金具の位置を変更して画像のように仕上がった。

 寝ぼけ眼で手をやっても木製のレバースイッチに手が行くので便利になった。

Aug.05

骨董鍵の利用

                                  Feb.2004

 大きな鍵は、ドイツの教会の屋根裏でごみの中から拾ってきたもの。 現在ではこの鍵に合わせた錠前を作って工房の玄関の鍵になっています。

 小さい二つの鍵はドイツのStuttgartの蚤の市で値切って買ったもの。 高いことを言うので、「束ごと買うから負けろ、ちょっと価値があるのはこれとこれじゃないか、これなんか今でも金物屋で買える ・ ・ 」とかまくし立ててまけさせて買ったうち、一番形が整っていた2本です。

 真中の鍵は、つまみ部分を使って鍵部分は新たに作ったもの。 元はその上の鍵と同じ長さでした。うちのオルガンの裏の扉に共通の鍵になっています。

 一番上の鍵は、買ったまま。 いつか出番を作ろうと思っています。 ただ大切にしまっておいては良い色が出ないのでこうして持ち歩いています。

 キーホルダーは私の祖父がドイツ留学時代(大正年代)に手に入れたものと思われます。

 鍵とキーホルダーの輪は全て鉄。 放っておけば錆びが出る代物です。 しかし、ステンレスの無表情な光沢とことなって、使っていれば愛着の持てる生きた表情を見せてくれます。

古電池の有効利用

                
Feb.2002

ちょっと見には何だか判っていただけないかもしれません。

工房の壁に掛かっている時計の裏側です。 ムーヴメントが中央にあります。 そこに入っているのは電池の形をした単3電池まがいです。 そこから赤(+)と青(-)の線が出ています。

その先には木製の箱があります。 この中には使い古しの単三電池4本(主にディジタルカメラで使い終わったもの)が並列に入っています。

容量が少なくなり、内部抵抗が大きくなっても並列接続すればまだまだ使えるわけです。 時計ならばこれで優に1年は動くでしょう(これまでは電池に直にはんだ付けして使っていた経験から)。 特に単三電池は1本だけ購入することが困難な実情からすると、このような省資源は有効だと思います。

以前からこのアイディアはあったのですが、やっと作りました。 マイナス側にはちゃんとコイルスプリングを取り付けてあります。

省資源がさけばれるこの頃、なぜこのような商品が市場にないのか不思議に思います。

オルガン守護の聖母像
聖カタリナ女子大

                    
Dez.2001

愛媛県北条市 聖カタリナ女子大 聖カタリナホールのオルガン、2001年3月24日の芸予地震での損傷の修復作業中に思いついて製作したものです。

 聖母像は学校を運営するドミニコ女子修道会 からの提供。 高さはおよそ30cm。 小屋は端材を用いて製作しました。 オルガン保守通路への階段の手摺りの角に取り付けました。
 実はこの手摺の角が地震で開いてしまい、その部分を隠すと同時に補強をしているのです。

 ヨーロッパの街角などで見掛ける聖人像などを思い出して作りました。

玄関の照明

April.2000

 楢(なら)の挽き物細工で作った照明です。
ガラスは横浜本町の古道具屋で見つけたものを使いました。

 乳白色の手吹きのガラスボールが白熱電球の光をやわらかくして周囲を照らし出してくれます。

 挽き物細工は オルガンの音栓つまみ、木管の足、滑車などを作るために頻繁に行います。 ドイツでは挽き物はオルガン製作者の仕事の範囲ではなかったので経験はできませんでした。

 古い木工旋盤を譲り受け、当初はうまくつかえませんでした。 20年ほど前になりますが、仕事で木工旋盤加工を使わざるを得ない状況に自らを追いやり、この工作法を覚えました。

 木工旋盤加工では、加工の方法に合った材料の固定方法を編み出すのが最初の仕事です。 そのための治具やくわえ具なども作ります。

 刃物なども必要に応じていろいろなものを作ります。 店で手に入る刃物だけでは思う形は必ずしも削り出せません。

私の旅行かばん

                     
Sep.2001

たしか\6000-程度で買ったトランクと\2000-ほどで買った中国製の豚革のかばんです。

トランクの大きさが短期の旅行には丁度良いのでいろいろ改造して使っています。

まず、車輪をつけました。 トランクの底部に針葉樹材で補強を施し、6mmのステンレス棒を固定し、端に溝加工をして車輪をスナップリングで取り付けています。 車輪は子供が小さいときにLindauで使っていたバギー乳母車から取っておいた物です。

車輪で転がすときのために取っ手を付けています。 牛革製。 最初に付けたものが弱くて切れそうになったため布帯をはさんで補強をしています。

小さなかばんを付けるベルトを付けました。
バックルはひざ関節を補助する装具の壊れたものから外して取っておいたものが役立ちました。 革部分は自分で切って作りました。 かばんがずれないようにいわゆるマジックテープを使っています。

かばんは機内にもって行きます。 移動のとき片手があくので非常に便利にしています。

革を縫って行くのは骨がおれますが、他所には無いものができるのは楽しみです。

散々使ったのでいろいろ故障もでました。それなりに修理をしてすでに10年以上も使っています。

 空港ロビーなどでは結構人目を引くようで、何回か
「どこで買ったの?」と質問されました。

グラスの修復

           
 Nov.99

 いただいたグラス、フランスの骨董品です。 かわいらしくて気に入っていたのですが、不注意で足の軸(何と言うのでしょう、きっと名称があると思いますが)を割ってしまいました。

 手でしてある彫りも惜しく、軸の部分を黒檀で挽き、残った部分とは接着して使えるようにしました。

 またかわいらしいグラスに復活しました。

足 温 器 を作りました

                     
Nov.99

金属製の出来合いのものを買ってもつまらないので、有り合わせのもので作ってみました。

表面材:   チィーク材
ヒーター:  不要コピー機から外した面発熱体
        サーモスタット付き
安全装置:  温度ヒューズ
伝導体:   銅板、4mm真鍮棒
断熱材:   グラスウール(底面の放熱防止)
電気部品:  パイロットランプ付きスイッチ

およそ25mmの真鍮棒を介して温度が表面に伝わってきます。 真鍮棒の出っ張り(1.5mmほど)が足の裏を軽く刺激する効果もあります。

温度が上がるまでに少々時間がかかりますが、けっこう快適です。

猫はVちゃん

CCDカメラ固定装置
宮崎県立芸術劇場、指揮者モニターカメラ

Aug.2001

 演奏台にある指揮者モニター液晶に画像を送るカメラです。 直径17mmのカメラです。 オルガンバルコニーの手摺に固定できます。

 カメラはなかなか優秀なのですが、固定方法がなんとも貧弱で具合が悪かったのです。

 オルガンにかかわるすべて(オルガン周辺も含めて)が気になるものです。 以前からなんとかしなければと思っていました。出かける直前に突然思いついて製作しました。

 ねじは真鍮。その他は全て木を使っています。
万力部と蝶番部は楓材、接着、黒檀の木釘を飾りに入れています。蝶番の軸はぶな材。

聖歌隊席の手摺
横浜 山手カトリック教会

April.99

オルガンを作った時、聖歌隊席も新しくなりました。 その結果一部階段への石の手摺だけでは危険な部分がでてきました。

オルガンに合わせて手摺も作りました。

足は鉄を鍛造、黒革油仕上げ、木部は楢、一部挽物

下の磨き出し人造石にアンカーを打ち固定。
ネジなどは見せていません。

BMW R80 バイク
エンジンの二重点火

                  
Feb.99

白い矢印のところが点火栓、上の点火栓はもともとのもの、下のは追加した点火栓。

空冷のフィンを削り落とし、穴をあけ、座を削る工具を作って座を削り、ねじを切るとシリンダーヘッド部分の加工は終了。

点火回路も二重になりますので高圧コイルとそれを駆動する増幅器を追加しています。

火炎伝播速度が速くなるので、点火時期はその分遅らせています。

性能の向上を目指すというよりも、そこに改造可能なエンジンがあったからしてみたくなったというのが本音です。

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