日付:9月16日

 昨、敬老の日も作業を行っていました。 リード管の整音を続けており同じような作業を淡々とつづけています。 今日はRecitのBassonHautbois 8'の整音も通り、残すのはあと1音栓だけというところまでたどりつきました。

 今回の作業の初期(7月1日)にもパイプを損傷してしまった例をUpしました。 このときには、あまりにも美しくパイプをねじり切ってしまっていたのでUpしました。 その後もパイプの掃除のときに2本のパイプに損傷がでました。 1本はパイプ製作時の半田付不良、もう1本はリードを取りつける鉛塊と鉛製の足との食い付きによるものでした。

 つい面倒なので今日まで残してありましたが、いよいよ修理をしないと整音が進まなくなりました。 丁度地元の愛好家がオルガンを弾きに来てくださいましたので、その間に修理をしました。

 オルガンの金属パイプは 錫と鉛 の合金でできています。 要するに半田合金です。 パイプは半田付して製作しますが、本体も半田ですので下手に半田付をしますと本体を溶かしてしまい穴をあけることになります。 半田を流したくない部分は覆って作業をします。 画像では見にくいのですが、共鳴管と鉛塊に紙テープが貼ってあります。 紙テープの無い隙間にだけ半田を流したいわけです。 今回の場合、薄い金属製の共鳴管と、鉛塊とでは熱量が大きく異なりますので熱の伝え方に工夫を要します。 両方の材料が適度に溶融しなければなりません。

 パイプを作るときには紙テープはつかいません。 半田マスク用の塗料を作って塗布し乾燥後半田を流す部分だけ塗料を削り取るようにします。

 このような作業に使用する半田鏝は幸い市販品を流用できます。 鏝先には平面がなければなりません。 この平面以外の側面は半田が載らないように酸化させておかなければなりません。 その他鏝先のコントロールがしやすいような目方の配分、温度を安定させるための調整器などをひつようとします。 画像の鏝は市販品を改造して使っています。 これよりも大容量の鏝も使っています。 こちらのほうは鏝先が減ってしまいまもなく交換しなければなりません。

 鏝の台は大理石で作り、ここにステアリン(ロウの一種、石油製品とのこと、昔は何を使っていたのかは知りません)を溶かして鏝先の研磨をしながら半田を鏝に拾い上げてパイプに持って行きます。 一般的な配線作業の半田付とはちがった半田付です。

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