日付:9月17日

 きょうはついに最後の音栓 Voix humane 8'の整音を完了しました。 6月の始めからの仕事もいよいよ最後の部分に入りました。

 先日もっとも小さなLabial(フルー管)をお目にかけました。 今日はもっとも小さいリード管です。
他のリード音栓でもほぼこの大きさまでが実現できる大きさです。 Clairon4’などではこれよりも高音になりますのでオクターヴ下げて繰り返すことになります。

画像上から 共鳴管   とそれに一体になった
       鉛塊部分
       くさび     リードと受けを固定する
       リード受け
       リード     です

 実際に振動するのはこのリードの1/3ほどです。 その範囲で "先端部の反りを増やす" とか
        "元の方で軽くカーブを増やす" など
という操作をして音量・音色・発音を調整してゆきます。 これに加えて共鳴管との兼ね合いも重要な要素です。
      

 Labialではパイプはかなり法則に則った変化をしてくれます。 リード管はLabialと比較すると不明な要素がずっと多くなります。

 Labialでもその発音原理は物理的に解明されているわけではないそうです。 われわれが組立てることができる論理の範囲などは本当に一部にすぎません。 リード管ではさらに感と見当が必要になります。 論理で追い詰められる部分にはそれを十二分に活用し、それができない部分では鋭く見当の付け所を見つける必要があるでしょう。 整音とは、頭の中では複数の思考が錯綜する知的なゲームであるように思います。

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