工具のページ 2

オルガン製作ほど多様な道具を必要とする職業はないでしょう。
その多くは市販の工具です。 市販の工具が具合が良くない場合、あるいは手に入らない場合には、自作するか市販のものを改造することになります。 

『注文しに行っている時間にできるようなものは、自分で作る』  ことです。

ここでは、そのような工具あるいは機械類を「工具のページ1」に続いて、いくつか公開いたします。
「工具のページ3」 「工具のページ4」 「工具のページ5」 へもどうぞ。


Maerz 2002


私の道具箱の
一部です。

頻繁に使う道具は取りやすい位置に取り付けています。

一生完成しそうにありません。


Maerz 2002


引出しの木製レール

上記の道具箱の下にある引出しです。
重たいものを入れる、そして引出しを目いっぱいに引き出したい ので側面にレールを付けています。 金属製の既製品を使うのは避けたいので、楓材で作っています。 10年以上使っていますがまだ十分に使えます。

Maerz 2002

小鉋

上記の引き出し2段目には小鉋が入れてあります。 「工具のページ1」にある一番小さな鉋も見えています。

 古道具屋などで見つけた鉋を使いやすく改造したりしていろいろな用途に使用します。


Maerz 2002

これも鉋です。 Stuttgartの蚤の市で見つけました。 値段を聞くとなんと約\150-、即買ってきました。

刃は少々硬すぎたので、多少焼きなまして使っています。 刃は、西洋の物にしては珍しく鋼と軟鉄の合わせです。


Maerz 2002

自動 集塵弁

木工機械から出る木屑を吸い取る管の途中にこのような弁を作って設けています。

それぞれの機械の集塵管にについています。 その機械を使用するときにはこの弁が開き集塵します。 その機械を使用しないときに無駄に集塵しないためです。 木工機械をOnにすると、自動的にエアーシリンダーを介してこの弁が開くようになっています。

このような弁の市販品が無かったため、自作しました。 おかげで、機械屋さんが必要だと言う集塵機の約半分の電力消費で済んでいます。


Maerz 2002

製図台のPC

 製図台の上、棚から下がっているのが製図専用のPCのDisplayです。 キーボードは英語88でしたか、一番小さなものを使っています。

PC本体はここの床下(一階の天井部分)に置いています。 全くPCの雑音が聞こえないので落ち着きます。
ケーブルの長さが足りないので全てはんだ付けして延長しています。 ディスプレーのケーブル延長はかなり手間が掛かりました。


Maerz 2002

ゴム巻き機

最近、木管を作るときにゴム紐で圧締接着しています。 これは「木管を作る会」の時に皆さんが作業しやすいように考えた方法ですが、やってみたらばこれが案外良い。

そこで、捨てたコピー機から取り外しておいた減速機付のモーターを使ってゴムまき機を作りました。


Maerz 2002

逆木鑢(やすり)

木鑢を使う場面は結構あるのです。

木製閉管の頭の内側を面取りするときなど、「逆目の鑢があったら良いな」と思うことがあります。

普通の木やすりを切って、取っ手を銀鑞付けで逆がわに取り付けました。


Maerz 2002

木管の歌口成形治具

画像からはちょっと判りにくいかもしれません。

木管(ここではSubbass16')は4面とも接着を済ませた状態で、治具の板で両側から挟みます。
この板が歌口の上唇の傾斜と同じになっているところがミソ。

その板の上にルーターを載せて、刃の出方を調整しながら削れば、きれいに上唇が削れます。

単純ですが、いろいろ工夫をしています。


Maerz 2002

円盤切り出し治具

風量調節弁など、円盤状の金属が必要なことがあります。 出来合いで適当な物も無いので旋盤で治具を作り、金鋸の刃を使ってバイトを作りました。

銅のリングを作ったりすることもできます。


Maerz 2002

ダイヤルゲージ

ドリルの刃はつい整理が悪くなり、寸法通りに正しい場所に戻っていなかったりします。

間違った寸法のドリルを使ってしまうと、ものによっては、作り直しになってしまいます。

簡単にドリルの寸法を測れるようにダイアルゲージを購入しました。 しかし、引き出しに入れてしまっては結局使わないことになってしまいます。

ボール盤のそばの壁に固定していつでもすぐに使えるようにしました。 ボールジョイントを二つ作って固定していますので、角度や高さは自由が利きます。




April 2002

ねじ転造機

オルガンのメカニズムにはJISやISOにはないねじをしばしば使います。

特に材料よりもねじ山が高くなるねじがあると助かります。 そのようなねじを作るための仕掛けを作りました。 掌に乗る大きさです。

ドイツにいたときの旧友が、現在仕事をしている工房で使っていた装置からヒントを得たものです。

 正確なピッチは得られませんが、相手が革ナット(牛革製のナット、革の弾力で自然に緩むことがないので、オルガンの演奏メカニズムの調整個所に頻繁に使います)なので問題はありません。

下の画像のように、真鍮丸棒の途中にねじを作ることもできます。

製作に使用した機械はボール盤と旋盤のみ。 刃以外の材料は工房にころがっていたものばかりです。


April 2002

1.4mmのドリル

 ドリルの刃は常に研磨して使用しなければなりません。 左の顕微鏡写真は1.4mmのドリルの刃を研いだ上、刃の背面を落として刃の逃げが少なくなるように加工しています(いわゆるチゼルポイントが小さくなる)。 全て手作業です。

 この刃を使うと径2mmの真鍮棒に1.4mmの穴をあけることも可能です。

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